下顎前突・反対咬合(受け口)/かがくぜんとつ・はんたいこうごう
治療前
治療後
治療前
治療後
前歯の上と下が反対に噛み合い、受け口になっている症状のことで、下顎前突(かがくぜんとつ)もしくは反対咬合(はんたいこうごう)といいます。
多くの場合、上下の前歯が永久歯になる時点での治療(1期治療)を行うことが望ましいのですが、長期の観察をして成長がほぼ落ちついた時期に、永久歯列期治療(2期治療)をして完了する症例もあります。骨格のズレが、あまり大きくなければ大人(永久歯)になってからでも矯正治療により治すことはできます。
しかし、骨格のズレが大きすぎる場合は、顎変形症として外科手術を必要とする場合もあります。
矯正治療例 1
【子供の治療例】下顎前突・反対咬合(受け口)
治療前
治療後
下の顎を前に出さないと奥歯が咬めない状態だと、下の前歯が上の歯に押されて歯肉を傷めることがあります。この状況が続くと、上顎の成長を阻害したり、上下の骨格のズレが成長とともに悪化する可能性がありますので早期の治療が必要です。
矯正治療例 2
【子供の治療例】下顎前突・反対咬合(受け口)
治療前
治療後
上の前歯が下の前歯の後ろを噛むため、下の前歯の歯茎(歯肉)が負担を受けて歯肉を傷める状況です。このまま放置すると歯を支える骨(歯槽骨)も傷め、歯が動揺(ぐらつく)する危険があります。
矯正治療例 3
【中学生の治療例】下顎前突・反対咬合(受け口)
この患者さんは、中学生の時期に、すべての歯が永久歯に生え変わった「2期(永久歯列期)」から治療を開始しました。
治療前
治療後
治療前は、下の顎が前に出ているために口を閉じた状態でも上下の歯が嚙み合わず、よく噛めない状態です。治療後には、受け口が改善され、上下の歯がしっかりと噛み合うようになりました。
受け口による噛み合わせの問題のほかにも、わずかですが、前歯部分の歯が重なり合ってデコボコになる「叢生(そうせい)」の症状が見られます。
治療後は受け口が改善され、上下の歯がしっかりと噛み合うようになっています。前歯部分に見られた歯並びの乱れもなくなり、きれいな歯並びになりました。
治療費の目安
矯正治療費・矯正期間は、症例の難易度により多少差がありますので診断時に確定し、詳しく説明いたします。下記は目安として参考にしてください。
約300,000円〜約1,180,000円(税込)
※精密検査料・診断料・通院毎の処置料を含む総額
動的治療 1~3年程度(月1回)
保定期間 1~2年程度(大体4ヵ月に1回)
オーダーメイドのワイヤー矯正装置を装着して歯を移動し、歯並びと噛み合わせを整えます(スタンダードエッジワイズ法)
治療後わずかに歯根の吸収を認めることがあります。
矯正治療中は歯の表面に装置を装着するため歯磨きがしにくい環境になり、むし歯になるリスクが高まる可能性があります。
当院では毎回の矯正処置時に徹底したクリーニングの実施、あわせてセルフケアに必要なアドバイス(歯ブラシ・歯磨剤の種類や清掃方法についての情報提供)を行っています。